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吉村均『空海に学ぶ仏教入門』(ちくま新書)が刊行されます

2017/08/29
吉村均『空海に学ぶ仏教入門』ちくま新書 が、
10月4日に刊行されます。(現在予約受付中)

一昨年の秋から約半年、慈母会館でおこなった、弘法大師空海『秘蔵宝鑰』の勉強会の内容をまとめたものです。

仏教には様々な教えがありますが、伝統的理解では、それは釈尊が一律ではなく、相手に合わせて異なる教えを説いたことで説明されています。
仏教では、苦しみの真の原因を、実体視—私たちの心に いいもの/悪いもの がありありとリアルに映っていることに求めます。
それは私たちの心の認識のメカニズムに起因するもので、単に仏教を信じるだけでは、苦しみから解放されることはできません。
仏教で、心の捉え方を変える実践—修行が必要とされるのは、そのためです。

しかし、修行法があったとしても、ほとんどの人は自分が捉えているものを現実と捉え、それが苦しみの原因だとは考えていませんから、それを実践して物の捉え方を変えようとはしません。
そのため、一律ではなく、その人その人が納得する目標設定をする必要がある、これが伝統的な仏教の考え方です。

空海の『秘蔵宝鑰』で説かれている十住心は、このような伝統的理解に基づいて、仏教の様々な教えを十の心のあり方に対応するものとして位置づけたものです。
私たちは、十住心を学ぶことによって、『般若心経』や『法華経』『華厳経』、倶舎や唯識、中観といった教えの伝統的意味と相互関係、それらが苦しみからの解放においてどのような働きをするかを一望のもとにすることができます。

西洋では、欲しいものを追いかけ続けても苦しみから解放されることはけっしてないことを実感する人が増え、伝統的な仏教の考え方と実践に関心が高まってきています。
空海の十住心を学ぶことによって、私たちは、仏教の教えが私たちの苦しみをどのように解決するか、教えの現代社会における有効性についても、知ることができます。

弘法大師空海への関心は高まっているようで、NHKの『ブラタモリ』でも、三週にわたって高野山が取り上げられます。9月9日、16日 高野山〜高野山は空海テーマパーク!?〜
9月23日 高野山の町〜高野山はなぜ"山上の仏教都市"に?〜

高野山壇上伽藍1
高野山壇上伽藍↑
修行大師像1
修行大師像↑
来年2月には、陳凱歌(チェン・カイコ—)監督、染谷将太主演の映画『空海−KU-KAI−』が公開される予定です。
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