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9月の仏教勉強会のお知らせ

2014/08/19
暑い日々が続きますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
9月の仏教勉強会のお知らせです。

第一・第三土曜に慈母会館でおこなっている講座「やさしい心を育てる」は、
9月は6日・20日になります。
9月20日は、東京・代々木公園でおこなわれるナマステ・インディア2014で吉村が講演をおこなう(「日本に仏教が伝わった頃—『日本霊異記』の世界」 12時〜13時。於、東方学院セミナーハウス)関係で、
15時から、第二部のみの開催になります。ご了承ください。

会場 慈母会館(公共財団法人全日本仏教尼僧法団。東京都新宿区大京町31)
時間 14時〜17時(20日は15時から、第二部のみの開催になります)
参加費 1000円(第一部のみの参加であれば、無料。その場合は資料代をお願いいたします)
予約不要です。

内容
第一部 心のゆとりをつくる仏教の智慧 14時〜15時頃(20日はおやすみです)
伝統を踏まえた誰にでもできる心のケアの実践法と、その背景にある仏教の考え方について紹介していきます。
9月からは欧米でロングセラーとなっているソギャル・リンポチェ『チベットの生と死の書』を題材として、インドからチベットに伝えられた心の訓練法(ロジョン)を中心に、仏教の死生観とその現代社会における有効性についてお話しします。

【参考】
ソギャル・リンポチェ『チベットの生と死の書』講談社
チベットの生と死の書 (講談社+α文庫)チベットの生と死の書 (講談社+α文庫)
(2010/09/21)
ソギャル・リンポチェ

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吉村均「チベットに伝わる心の訓練法(ロジョン)と現代」明治学院大学教養教育センター紀要『カルチュール』5巻1号
→こちらからダウンロードできます(無料)

吉村均「仏教における修行—インド・チベットの伝統から」『道・身心・修行 実存思想論集29』理想社
道・身心・修行 (実存思想論集)道・身心・修行 (実存思想論集)
(2014/06)
実存思想協会

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第二部 連続講座・伝統仏教を学ぶ
 15時頃〜17時
「空と浄土」についてお話ししていて、9月からは浄土信仰にはいります。

(これまでの内容を要約すると)私たちは普通、嫌なものを除き、欲しいものを手に入れることによって幸せを得ようとしますが、釈尊の発見したのは、そのやり方ではいつまでたっても決して苦しみが終わることがない、ということでした。嫌なもの・欲しいものは私たちの心にありありとあらわれていますが、それは私たちの捉え方であって、「嫌なもの」というもの・「欲しいもの」というものがあるわけではありません。それが釈尊のさとりです。

ですから、仏教の「空」というのは、私たちが思っているような「嫌なもの」「欲しいもの」があるわけでは「ない」ということであって、それを理解することによって苦しみから解放されます。

ナーガールジュナ(龍樹)の『中論』は難解なことで有名ですが、それは、普通の思想書が、著者が考えて、読者がそれを読んで理解するものであるのに対し、読者が自分の捉え方の間違いに気づく、読者の側が考える本だからです。
そこに仏教の「空」についての説明が書いてあって、読者がそれを読んで理解したり、信じるのではなく、読みながら読者が考えて自分自身の過ちに気づいていき、対象を実体として捉える心の働きが働く以前を見つけること、それが「空」のさとりで、それは読者が自分で発見するしかないものです。

ですから、『中論』の教えというのは、たとえていうなら、「リンゴ」という答えに「赤い」「丸い」「青森」といったヒントを出しているようなもので、その「赤い」「丸い」「青森」という言葉を読んで、その意味を理解しようとしたなら、まったく見当違いになってしまいます。
禅宗で、教えは月を指す指のようなもので、指を見るのではなく、それが指す月を見なければならない、ということをよく言いますが、『中論』や「空」の教えについても、同じことが言えます。
仏教ではこの境地を、よく青空にたとえます。どんなに雲があつく空を覆い尽くしたとしても、一度その向こうに青空があると気づいたら、青空がなくなってしまったのではないかと疑いが生じることはありません。

仏教の浄土信仰については、明治以降、キリスト教の救済信仰と結びつけて理解されてきましたが、浄土=仏の世界とは、そのような私と私の捉えたとおりの世界がある、という思い込みから解放された境地のことです。
親鸞の教えについて弟子の唯円が著した『歎異抄』はよく読まれていますが、親鸞は決して仏教の伝統とは無関係に新しい思想を唱えたわけではありません。主著の『教行信証』の中に収録されている「正信偈」において親鸞は龍樹(ナーガールジュナ)・天親(バスヴァンドゥ)・曇鸞・道綽・善導・源信・源空(法然)という七人の浄土信仰を説いたインド・中国・日本の高僧をたたえています。

講座では、これら浄土七祖の教えや、仏陀のさとりの世界を描いた『華厳経』、インドからチベットに伝えられた浄土信仰を手がかりに、伝統仏教における浄土信仰とその役割について学んでいきます。

【参考】
吉村均「チベットにおける浄土教」「日本における浄土教」『浄土教の事典』東京堂出版、所収
浄土教の事典―法然・親鸞・一遍の世界浄土教の事典―法然・親鸞・一遍の世界
(2011/02)
峰島 旭雄

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吉村均『神と仏の倫理思想 日本仏教を読み直す』北樹出版、第二章3、第三章2
神と仏の倫理思想―日本仏教を読み直す神と仏の倫理思想―日本仏教を読み直す
(2009/06)
吉村 均

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親鸞『顕浄土真実教行証文類(現代語版)』本願寺出版社
顕浄土真実教行証文類 (現代語版)顕浄土真実教行証文類 (現代語版)
(2000/03/30)
浄土真宗教学研究所浄土真宗聖典編纂委員会

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『浄土真宗聖典—註釈版(七祖篇)』本願寺出版社
浄土真宗聖典―註釈版 (七祖篇)浄土真宗聖典―註釈版 (七祖篇)
(1996/03)
浄土真宗教学研究所、浄土真宗聖典編纂委員会 他

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20:45 講座・やさしい心を育てる | コメント(0) | トラックバック(0)

ナマステ・インディア2014 東方学院セミナーハウス

2014/08/19
今年も東京・代々木公園で、日本最大級のインド関連イベント
ナマステ・インディア2014が開催されます。
今年は9月20日(土)・21日(日)の二日間、雨天開催です。
今年も公益財団中村元東方研究所・東方学院はセミナーハウス(今年は東方学院セミナーハウスという名称になりました)を開催します。
現在決定している内容は、下記のとおりです。

セミナーハウスプログラム
9月20日(土)
12時〜13時 吉村均  日本に仏教が伝わった頃—『日本霊異記』の世界
13時〜14時 松本榮一  アショカ王の秘密 ブッダガヤ大塔ものがたり
14時〜15時 保坂俊司  インドの宗教と生活
15時〜16時 貝澤耕一(平取アイヌ文化保存会)  ワークショップ
16時〜17時 加藤みち子  インドのヤマ天から閻魔大王へ
17時〜18時 (現在調整中)
18時〜19時 (現在調整中)

9月21日(日)
12時〜13時 小西公大  ラージャスターンの芸能—砂漠と神と人の織りなす音楽世界
13時〜14時 林慶仁  日本におけるインド式討論
14時〜15時 貝澤耕一(平取アイヌ文化保存会)  ワークショップ
15時〜16時 田中公明  マンダラ II
16時〜17時 大角修  宮沢賢治とインド・西域幻想
17時〜18時 奈良修一  古代インドの遊戯—『ナラ王物語』を中心に
18時〜19時 (現在調整中)
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詳しくは、ナマステ・インディア2014のサイトをご覧ください。
20:44 法話、講座 | コメント(0) | トラックバック(0)

講座の内容の活字化

2014/08/03
8月2日は暑い中、大勢の方にご参加いただき、ありがとうございました。16日はお盆休みのため講座はおやすみで、次回は9月になる予定です。
遠方にお住まいで講座に参加できない方や、最近になって参加された方から、聞くことできなかった内容を知りたいというご要望が寄せられることがあります。機会をみつけて、なるべく多くの方に知っていただくようにしたいと思います。これまでに、次のようなものが活字になりました。


吉村均「仏教における修行—インド・チベットの伝統から—」実存思想協会編『道・身心・修行 実存思想論集29』理想社
道・身心・修行 (実存思想論集)道・身心・修行 (実存思想論集)
(2014/06)
実存思想協会

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自分がチベットの諸先生から受けた教えに基づいて、仏教の実践が人の心をどのように変えていくかについて紹介しています。
冒頭ですこし哲学的な話題に触れていますが、そのあとはほぼ講座でお話ししてきた内容です。
経典や過去の高僧の著作で語られている修行はきわめて高度なものが多く、多くの人が直ちに実践できる内容ではありません。仏教の出発点でどのような実践が必要になるかは、書籍で仏教に接する人は、なかなか知る機会がないのではと思います。
チベット・日本に共通して、仏教の出発点が、自分が今こうやって人として生きていることは極めて得がたく貴重なものであることに気づくことであることや、慈悲や空性の教えがそうやって気づいた心をどのように延ばしていくかについて、紹介しています。
他に、魚住孝至先生「日本の武道の思想」、西平直先生「世阿弥『伝書』における稽古の思想」、井上克人先生「道は無窮なり」などのご論考が収録されています。


吉村均「争いをなくすために—『日本霊異記』で考えるこれからの仏教」『在家佛教』2014年9月号、一般社団法人在家仏教協会
→『在家佛教』最新号の目次はこちら

エッセイで紙幅にかぎりがあるため、ごく簡単にですが、今年(2014年)のはじめに何回かに分けて『日本霊異記』についてお話しした内容をまとめています。
今のあり方だけを見ると、日本仏教とチベット仏教はずいぶん違ってみえますが、今の日本の仏教のあり方も長い歴史のなかで形成されてきたもので、それが唯一のあり方だったというわけではありません。
『日本霊異記』には、仏教が日本に伝わってそれほど時間のたっていない、外国からはいってきた新しい宗教だった頃の様子が鮮やかに描かれており、それを見ることで、今のあり方がどのようにして形成されていったかや、直接には受け継がれていない、仏教の別の可能性を知ることができます。
タイトルを自分でつけるとどうしても論文調の堅苦しいものになってしまうため、編集者の高梨和巨さんにお願いしてつけていただきました。
偶然ですが、同じ号に収録されている中野東禅先生の講演の筆録(「にもかかわらず仏法に立つ」)と森和也先生の連載(神儒仏の江戸時代9「近世仏教の<横>の広がり」)は、それぞれ別な面からつながりのある話題を取り上げられていて、私自身も興味深く読ませていただきました。
(東京だと紀伊國屋書店やジュンク堂のような大書店など)置いている書店が限られていて、amazonならこれ一冊だけ注文しても別に送料は請求されないようです。


在家仏教 2014年 09月号 [雑誌]在家仏教 2014年 09月号 [雑誌]
(2014/08/02)
不明

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