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『空海に学ぶ仏教入門』(ちくま新書)『大法輪』に書評掲載&京都講演会

2018/02/14
『大法輪』3月号「書物の輪蔵」欄に、昨年10月に刊行した『空海に学ぶ仏教入門』(ちくま新書)の書評が掲載されました!

「(略)通常ならば別々に学ばれるはずの仏教の各ジャンルが一直線に結ばれる明快な入門書だ。」

佐々木閑・宮崎哲弥『ごまかさない仏教』(新潮選書)、田中公明『両界曼荼羅の仏たち』(春秋社)と共に紹介されています。
ありがとうございます。

『空海に学ぶ仏教入門』については、京都・法蔵館で講演会をさせていただくことになりました。

日時:3月10日(土曜)14時から(2時間程度)会場:法蔵館4階応接室定員:30名
参加無料、事前予約可能だそうです。詳細は下記をごご覧ください。
http://www.hozokan.co.jp/cgi-bin/hzblog/sfs6_diary.cgi?action=article&year=2018&month=02&day=13&mynum=2469

東京での講演会も計画中です。情報解禁&申込開始になりましたら、またお知らせいたします。
よろしくお願いいたします。
法蔵館講演会チラシ

大法輪3月号

19:07 一般書 | コメント(0) | トラックバック(0)

『空海に学ぶ仏教入門』、まもなく刊行です

2017/09/28
「天才・空海が説く仏教の核心」(帯のキャッチコピー)
筑摩書房から出る『空海に学ぶ仏教入門
』ちくま新書の見本が届きました。まもなく刊行です!(10月4日発売)
空海に学ぶ仏教入門
私たちが苦しみから離れることができないのは、欲望のままにものを追いかけ続ける心のあり方にその原因がある。では心を変えるにはどうすればよいかーー伝統仏教が説いてきたその教えの全体像を空海が簡明に示したのが「十住心」である。『般若心経』や『法華経』『華厳経』、倶舎や唯識、中観などの教えの伝統的な意味と相互関係、苦しみを滅する実践における役割などを、空海の著『秘蔵宝鑰』と『十住心論』から明らかにする。ほんとうの仏教の全体像を描き出す、画期的な仏教入門。(カバー裏の説明)

目次より
第1章 空海の生涯ーー山林修行者から密教の相承者へ
第2章 伝統的仏教理解へーー空海の教えに即して
第3章 苦しみを減らしていく段階ーー第一住心〜第三住心
第4章 苦しみを根源から断ち切ろうとする段階ーー第四住心〜第七住心
第5章 空を体験した者に現われる世界ーー第八住心・第九住心
第6章 言葉を超えたさとりの境地が直接示される段階ーー第十住心
終章 道としての仏教
20:11 一般書 | コメント(0) | トラックバック(0)

吉村均『空海に学ぶ仏教入門』(ちくま新書)が刊行されます

2017/08/29
吉村均『空海に学ぶ仏教入門』ちくま新書 が、
10月4日に刊行されます。(現在予約受付中)

一昨年の秋から約半年、慈母会館でおこなった、弘法大師空海『秘蔵宝鑰』の勉強会の内容をまとめたものです。

仏教には様々な教えがありますが、伝統的理解では、それは釈尊が一律ではなく、相手に合わせて異なる教えを説いたことで説明されています。
仏教では、苦しみの真の原因を、実体視—私たちの心に いいもの/悪いもの がありありとリアルに映っていることに求めます。
それは私たちの心の認識のメカニズムに起因するもので、単に仏教を信じるだけでは、苦しみから解放されることはできません。
仏教で、心の捉え方を変える実践—修行が必要とされるのは、そのためです。

しかし、修行法があったとしても、ほとんどの人は自分が捉えているものを現実と捉え、それが苦しみの原因だとは考えていませんから、それを実践して物の捉え方を変えようとはしません。
そのため、一律ではなく、その人その人が納得する目標設定をする必要がある、これが伝統的な仏教の考え方です。

空海の『秘蔵宝鑰』で説かれている十住心は、このような伝統的理解に基づいて、仏教の様々な教えを十の心のあり方に対応するものとして位置づけたものです。
私たちは、十住心を学ぶことによって、『般若心経』や『法華経』『華厳経』、倶舎や唯識、中観といった教えの伝統的意味と相互関係、それらが苦しみからの解放においてどのような働きをするかを一望のもとにすることができます。

西洋では、欲しいものを追いかけ続けても苦しみから解放されることはけっしてないことを実感する人が増え、伝統的な仏教の考え方と実践に関心が高まってきています。
空海の十住心を学ぶことによって、私たちは、仏教の教えが私たちの苦しみをどのように解決するか、教えの現代社会における有効性についても、知ることができます。

弘法大師空海への関心は高まっているようで、NHKの『ブラタモリ』でも、三週にわたって高野山が取り上げられます。9月9日、16日 高野山〜高野山は空海テーマパーク!?〜
9月23日 高野山の町〜高野山はなぜ"山上の仏教都市"に?〜

高野山壇上伽藍1
高野山壇上伽藍↑
修行大師像1
修行大師像↑
来年2月には、陳凱歌(チェン・カイコ—)監督、染谷将太主演の映画『空海−KU-KAI−』が公開される予定です。
20:20 一般書 | コメント(0) | トラックバック(0)

サンガジャパンvol.25 特集・原始仏典

2016/12/23
 私も原稿を書かせていただいた、『サンガジャパン』vol.25特集・原始仏典が届きました。
  前号(特集・チベット仏教)が内容も厚さも価格も破格だったため、今号は王道の原始仏典特集なのだろう、と思っていたのですが、できあがったものを拝見すると、予想がいい意味で大きく裏切られていました。


 「原始仏典」というのは、文献学的な古層のことではなく、副題に「―その伝承と実践の現在―」とあるように、釈尊の教えが現代、どのように受け継がれ、生きているかに焦点があてられています。...
その意味で、経典の教えにどのようにかかわるべきかを懇切丁寧に説かれている巻頭のスマナサーラ長老による「経典の読み方」は、とても重要で、多くの読者に役立つ内容だと思います。
  三砂慶明「中村元が読みたい!」は、中村元先生とそのお仕事の紹介で、「哲学思想は、一般の人々の実人生に、何らかの形でためになるものでなければならない。思想は「生きたもの」でなければならない。(以下略)」(『学問の開拓』)という中村先生のお言葉のとおり、いかに経典の言葉を生きたものにするのかが、巻頭の長老のお話であり、本特集の機軸にもなっています。
 パーリ仏典の個人訳を続けられている片山一良先生のインタビュー「経典に沈黙を読む坐禅瞑想に沈黙を知る」も同様で、言葉と言葉を超えたものの関係、そのような理解にたった翻訳の姿勢が語られています。
 藤本晃「原始仏典とは何か」では、前半では近代的な仏教理解が行とさとりを欠くものであることが指摘され、後半では、最近の学者のパーリ仏典についての捉え方が、パーリ仏典こそが釈尊の言葉をそのまま記したオリジナル仏典なのだという立場から批判されています。
 島田啓介「ティク・ナット・ハンの原始仏典解説を読むために」は、なぜ大乗系のベトナムの禅僧であるティク・ナット・ハンが原始仏典についての解説の三部作を著したのか、またその大乗的解釈というべき解釈の姿勢が紹介されています。

 私(吉村均)の「大乗仏教は大乗経典に基づく教えか?」は、編集の方にわざわざ慈母会館でやっている私の勉強会に来ていただき、チベット仏教における阿含経典(アーガマ)の扱い方、ナーガールジュナ(龍樹)と阿含経典、ナーガールジュナの涅槃解釈について、と具体的にリクエストをいただいたものにそって、私がこれまで考えてきたことをまとめさせていただきました。
 このような機会をいただいたことに感謝しています。

 松本榮一・松本恭「ブッダガヤの瞑想家たち」は、40年前のブッダガヤ・日本寺における松本榮一さんの様々な出会い―ダライ・ラマ法王の日本寺訪問と今につづく交流、葉上照澄師(!)がビルマ寺にゴエンカ師(!)を訪ねられ、瞑想について対話されたこと、依頼されて写真を撮りにパトナを訪れた時にクリシュナムルティ(!!)に会われたことなどが回想され、40年ぶりのブッダガヤで様々な伝統の師(カルマパ17世も!)に会われたインタビューが収録されています。個人的には、もっともっとお話をうかがいたい内容でした。

 北伝と南伝には、所伝に大きく食い違うところもありますが、私としては、感情的な優劣論ではなく、互いを見比べて、それが仏教理解の深まりにつながっていくような議論の展開を願っています。
22:38 専門書 | コメント(0) | トラックバック(0)

現代仏教塾 1/吉村均・三木悟・岩井昌悟(幻冬舎)

2015/03/19
横浜市旭区の高明寺でおこなわれている現代仏教塾が単行本になりました(発行・幻冬舎メディアコンサルティング 発売・幻冬舎)。Ⅰには第一回から第三回までの講演が収録されています。

(出版社による内容紹介)
近代思想が支配的になることで失われつつある、仏教本来の教えとはどのようなものなのか。もう一度原点に立ち返って、現代仏教のあるべき姿を説く一冊。宗派主義を越え、社会に開かれた仏教こそが、現代に必要とされる仏教であるというテーマのもと、時代に合った新しい仏教の創造に迫る。

現代仏教塾I現代仏教塾I
(2015/03/04)
吉村 均、三木 悟 他

商品詳細を見る

本には詳しい目次がないので、ここで見出しを紹介しておきます。

はじめに  三木悟(高明寺住職)

一、日本仏教がチベット仏教に学ぶもの  吉村均(中村元東方研究所専任研究員)
・現代の理解と伝統的理解の違い
・チベットと日本における展開
・苦難の到来―日本とチベット
・活仏制度と輪廻の考えの違い
・輪廻の考えへの誤解―『チベットの死者の書』と四十九日
・寺院で学ばれていた伝統仏教学
・話の内容の整理
・仏教のわかりにくさ―仏陀と私たちの考え方の違い
・苦しみを生み出す心のメカニズム
・チベット仏教の聖地への巡礼で感じたこと
・『般若心経』の内容
・『般若心経』をめぐる議論―認める伝統・認めない伝統
・伝統仏教学における浄土(仏の世界)の考え
・伝統仏教学から見た親鸞の教え
・妙好人
・日本仏教とチベット仏教の特色―頓悟と漸悟
・チベット仏教に学ぶもの―伝統仏教学の再導入
参考資料① トクメー・サンポ『三十七の菩薩の実践』
参考資料② 日本語で読むことのできるチベットの僧院教育で用いられるテキスト
質疑応答

二、宗教の根底を流れるもの―サムシング・トゥルース 三木悟
1.我々はどこから来たのか? そしてどこへ行くのか?
2.仏陀は死後を語らなかったか?
3.近代仏教学の誤り
4.お釈迦さまのお悟り
5.仏教は霊魂を認めるか
6.人は死んだらどうなるか
7.仏さまとは
8.サムシング・トゥルース
質疑応答
 
三、初期仏教の輪廻思想  岩井昌悟(東洋大学準教授)
1.輪廻とは何か?
2.解脱とは何か
3.業とは何か
4.現代の仏教学者の説
対談  岩井昌悟+三木悟
質疑と応答

第四回以降もふくめ、講演内容は動画でも公開されています。

「日本仏教がチベット仏教に学ぶもの」(この題はお寺からの指定)では、チベットの伝統の紹介にかなりの時間をとられてしまい、出版社の紹介にある「現代仏教のあるべき姿」「宗派主義を越え、社会に開かれた仏教」「時代に合った新しい仏教の創造」という側面が十分ではないので、この点については、慈母会館(公益財団法人全日本仏教尼僧法団。新宿区大京町31)でおこなっている一般向けの講座「やさしい心を育てる」(4月からは第一・第三土曜というのは変わりませんが、15時~17時の予定)で、少しずつ取り上げていきたいと考えています。

4月にはダライ・ラマ法王の来日が予定されていますが、東京での法話で取り上げられる予定のナーガールジュナ(龍樹)『菩提心の解説(チャンチュプ・セムデル)』は、弘法大師空海が重視した龍猛『菩提心論』と同系統の、階梯的な菩提心修習書です。新年度の前半は、このテキストの解説をしながら、いわゆる鎌倉新仏教のような専修とは違う、空海『十住心論』や、室町時代の無住(『沙石集』『聖財集』の著者)が説く、総合的な仏教理解、日本仏教のなかにもあった兼修の伝統に光をあてて、現在の宗派が別々の教義の宗教のようになってしまっている状況を乗り越える手がかりをさぐりたいと思います。
07:04 一般書 | コメント(0) | トラックバック(0)
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