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現代仏教塾 1/吉村均・三木悟・岩井昌悟(幻冬舎)

2015/03/19
横浜市旭区の高明寺でおこなわれている現代仏教塾が単行本になりました(発行・幻冬舎メディアコンサルティング 発売・幻冬舎)。Ⅰには第一回から第三回までの講演が収録されています。

(出版社による内容紹介)
近代思想が支配的になることで失われつつある、仏教本来の教えとはどのようなものなのか。もう一度原点に立ち返って、現代仏教のあるべき姿を説く一冊。宗派主義を越え、社会に開かれた仏教こそが、現代に必要とされる仏教であるというテーマのもと、時代に合った新しい仏教の創造に迫る。

現代仏教塾I現代仏教塾I
(2015/03/04)
吉村 均、三木 悟 他

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本には詳しい目次がないので、ここで見出しを紹介しておきます。

はじめに  三木悟(高明寺住職)

一、日本仏教がチベット仏教に学ぶもの  吉村均(中村元東方研究所専任研究員)
・現代の理解と伝統的理解の違い
・チベットと日本における展開
・苦難の到来―日本とチベット
・活仏制度と輪廻の考えの違い
・輪廻の考えへの誤解―『チベットの死者の書』と四十九日
・寺院で学ばれていた伝統仏教学
・話の内容の整理
・仏教のわかりにくさ―仏陀と私たちの考え方の違い
・苦しみを生み出す心のメカニズム
・チベット仏教の聖地への巡礼で感じたこと
・『般若心経』の内容
・『般若心経』をめぐる議論―認める伝統・認めない伝統
・伝統仏教学における浄土(仏の世界)の考え
・伝統仏教学から見た親鸞の教え
・妙好人
・日本仏教とチベット仏教の特色―頓悟と漸悟
・チベット仏教に学ぶもの―伝統仏教学の再導入
参考資料① トクメー・サンポ『三十七の菩薩の実践』
参考資料② 日本語で読むことのできるチベットの僧院教育で用いられるテキスト
質疑応答

二、宗教の根底を流れるもの―サムシング・トゥルース 三木悟
1.我々はどこから来たのか? そしてどこへ行くのか?
2.仏陀は死後を語らなかったか?
3.近代仏教学の誤り
4.お釈迦さまのお悟り
5.仏教は霊魂を認めるか
6.人は死んだらどうなるか
7.仏さまとは
8.サムシング・トゥルース
質疑応答
 
三、初期仏教の輪廻思想  岩井昌悟(東洋大学準教授)
1.輪廻とは何か?
2.解脱とは何か
3.業とは何か
4.現代の仏教学者の説
対談  岩井昌悟+三木悟
質疑と応答

第四回以降もふくめ、講演内容は動画でも公開されています。

「日本仏教がチベット仏教に学ぶもの」(この題はお寺からの指定)では、チベットの伝統の紹介にかなりの時間をとられてしまい、出版社の紹介にある「現代仏教のあるべき姿」「宗派主義を越え、社会に開かれた仏教」「時代に合った新しい仏教の創造」という側面が十分ではないので、この点については、慈母会館(公益財団法人全日本仏教尼僧法団。新宿区大京町31)でおこなっている一般向けの講座「やさしい心を育てる」(4月からは第一・第三土曜というのは変わりませんが、15時~17時の予定)で、少しずつ取り上げていきたいと考えています。

4月にはダライ・ラマ法王の来日が予定されていますが、東京での法話で取り上げられる予定のナーガールジュナ(龍樹)『菩提心の解説(チャンチュプ・セムデル)』は、弘法大師空海が重視した龍猛『菩提心論』と同系統の、階梯的な菩提心修習書です。新年度の前半は、このテキストの解説をしながら、いわゆる鎌倉新仏教のような専修とは違う、空海『十住心論』や、室町時代の無住(『沙石集』『聖財集』の著者)が説く、総合的な仏教理解、日本仏教のなかにもあった兼修の伝統に光をあてて、現在の宗派が別々の教義の宗教のようになってしまっている状況を乗り越える手がかりをさぐりたいと思います。
07:04 一般書 | コメント(0) | トラックバック(0)

池上彰と考える、仏教って何ですか?

2013/02/05
『池上彰と考える、仏教って何ですか?』池上彰 飛鳥新社(1300円+税)2012年8月刊

 NHK時代、「週刊こどもニュース」でチベット問題を実に明快に解説したことのある池上彰氏による、仏教の可能性を探る書。まずインドから今に至るまでの仏教の歴史が概観され、今の日本人が考えているものが必ずしも仏教の全体像ではないこと、仏教とは何かを理解するために、インドから直接教えが伝わったチベットの仏教が手がかりになることが示される。葬式仏教は本来の教えから外れているとか、妻帯する日本の僧侶は堕落している、といったよくある一方的な断罪をせず、歴史を辿っていくことで、読者自身に今のあり方が本来のものではないことに気づかせていく手法がすばらしい。

 後半は、インド・ダラムサラに飛び、ダライ・ラマ法王お膝元のナムギェル寺僧院長による仏教の概説と、法王のインタビューが、氏の解説を交えて紹介されている。現僧院長は何度か日本を訪れ教えを説かれているタムトゥク・リンポチェ(チベット文化研究会報バックナンバーに教えやインタビュー記事。吉村均「仏教における神秘主義」『比較宗教への途3 人間の文化と神秘主義』北樹出版にも一部引用)で、日本人はいつも急いでいて、仏教をじっくり学ぶ時間も実践する時間もない、と語られている。これはインドでお目にかかるたびに言われることで、個人的にはとても耳が痛い。外見的な環境を整えても、心の平和を得ることはできず、慈悲の心を育むことによって、自分の心の状態を向上させることができ、たとえ社会全体が苦しい状況でも、心の平和が維持できれば、心に満足感を得ることができる。短い時間で急激な変化は期待できず、日々少しずつ積み重ねることが大切だ、というのが師の教えである。

 ダライ・ラマ法王に対しては、震災や原発、日本の経済状況や、将来の社会での仏教の役割、チベットの抗議の焼身、チベット問題への見通しなど、現代の様々な問題が尋ねられている。

 本書の最後に、「仏教を知ることは、己を知ることです。そして、日本を知ることです。自分のことをよく知り、自分にとって何が大切なのかを知ってこそ、他人や他国の人々が大切にしているものを理解することができるのではないでしょうか」とあるが、これは国際社会に精通した氏の実感だろう。周囲の真の仏教や心の平和を求める人にぜひ薦めてほしい一冊である。

池上彰と考える、仏教って何ですか?池上彰と考える、仏教って何ですか?
(2012/07/19)
池上彰

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09:00 一般書 | コメント(0) | トラックバック(0)

チベットの生と死の書/ソギャル・リンポチェ

2013/01/30
チベットの生と死の書 (講談社プラスアルファ文庫)チベットの生と死の書 (講談社プラスアルファ文庫)
(2010/09/21)
ソギャル・リンポチェ

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"仏教の死生観の現代的意義と、実際に役立つケアの方法—家族や知人が死に直面している時の対処法、自分の生来のやさしさを蘇らせ育てる方法—を説き、欧米でベストセラーとなった。これを読んで仏教がどういう教えかわかった、古臭いものだと思い込んでいた仏教に関心を持つようになったという声も多い。"
09:00 一般書 | コメント(0) | トラックバック(0)

ダライ・ラマ『宗教を超えて』

2012/12/15
ダライ・ラマ宗教を超えてダライ・ラマ宗教を超えて
(2012/10/12)
ダライ・ラマ14世

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"ダライ・ラマ法王が最近の来日講演で話されることの多いsecular ethics(世俗倫理)についての集大成的な本。前半では世俗倫理が宗教を否定するものではなく、無宗教を含めた諸宗教の共存を可能にする倫理であることが、科学的調査などを踏まえて述べられている。
後半ではその鍵となる慈悲の心をいかに育てるかを、チベットに伝わる心の訓練法(ロジョン)の伝統と自己の修行経験から具体的・実践的に述べる。"
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